自己破産者は官報でわかる!けれどバレる可能性が極めて低い理由とは

自己破産した場合、どうしても避けることのできないものがあります。それは、いくつかのデメリットを受けるということです。破産が認められることで、負っているすべての債務の免除が受けられるという大きなメリットがある以上、多少のデメリットの存在は仕方ないともいえるでしょう。

このデメリットは、その性質によって2つの種類に大別できます。「自己破産する以上かならず受けることになるもの」と、「一定の場合にのみ受けることになるもの」です。

これをわかりやすく表すと、つぎのようになります。

自己破産したときに受けるデメリット
必ず受けるもの一定の場合にのみ受けるもの

上記のデメリットは自己破産する以上、どうしても避けることができません。

これらはすべて、あくまでもその可能性があるということになります。

今回は自己破産する際に受けるデメリットのうち、「官報」に住所・氏名が載るという点について解説したいと思います

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そもそも「官報」とは?

官報とは行政機関の休日を除き、基本的に毎日発行されている政府の広報誌のようなものです。国が国民に対して通知すべきとされる、一定以上重要な情報を掲載しています。この官報を閲覧するためには、現在2種類の媒体があります。

言葉だけでの説明よりは、実物をご覧いただいた方がわかりやすいでしょう。百聞は一見に如かず!のちに説明するとおり、現在では官報をインターネットで見ることもできますので、下のリンクから閲覧してみてください。

参考:インターネット版官報

いかがでしたか?一般の人にとっては、決して面白い内容のものではないことがお分かりいただけたと思います。

ちなみに、実際に破産した人の名前などが掲載されている場所には、つぎの順序でたどり着くことができます。

①上記、インターネット版官報のホームページを開く

②同ページにある「本日の官報」の中の「号外」をクリック
インターネット版官報のトップページ画面の画像

③「公告」の項目の中にある「諸事項」中、「裁判所」を見つける

④その下の「破産、再生、免責関係」をクリック

インターネット官報のトップページから、号外をクリックし、公告内の諸事情の箇所の、裁判所「破産、免責、特別精算、再生関係」の箇所に赤で丸をつけた画像

【実際の公告例】

インターネット版官報の、破産開始手続きの実際の公告が書かれたページの画像

実際の事例を見ていただくと、自己破産している人がどれほど多いのか、お分かりいただけると思います。世間では日常的に、これだけ多くの人が自己破産しているのです。

官報の構成について

官報は3つの部門で構成されています。「本紙」「号外」「政府調達」です。それぞれ、いろいろ難しいことがギッシリと記載されていますが、自己破産する際に問題となるのは「号外」です。

自己破産した場合、必ず「号外」に名前と住所が掲載される

自己破産した場合、法律の定めによって「官報」の「号外」に破産者として、その住所・氏名などが掲載され「公告」されることになります。「公告」とは、広く一般国民に対し一定事項を告知する行為のことを言います。

先述したように、具体的には「号外」中の「公告」にある「裁判所」の部分に名前と住所が載るのです。この「裁判所」の部分において、「破産、免責、再生関係」として名前と住所が掲載されることになるのです。

自己破産した場合に行われる官報での公告は、避けることはできません。破産法という法律の規定によるものだからです。自己破産する以上、住所・氏名が官報によって公告されることは仕方ないと考えなければなりません。

官報を閲覧する際の2種類の媒体と閲覧方法

官報を閲覧するためには、現在では下の2種類の媒体によることになります。

1.紙媒体の官報

これは、一般の雑誌のように紙に印刷された状態の官報のことです。これは、従来からある形態の官報となります。

閲覧方法

紙媒体の官報の閲覧には、つぎの2つの方法があります。

①購入して閲覧する

一番シンプルな閲覧法は、官報を購入して閲覧する方法です。官報は、規定の代金を支払うことで購入することが可能です。しかし実際には、官報はなかなか入手しづらいものなのです。なぜなら、紙媒体の官報は非常に限定された場所でしか販売されていないからです。入手を希望する場合には、各都道府県の県庁所在地に設置されている官報取扱所など限られた拠点においてのみ購入することが可能です。一般的な書店や役所などで購入することはできません。なお、官報を販売している店舗などから通信販売で購入することは可能です。

②図書館などで閲覧する

ある程度大きな図書館には、官報を置いてあることがあります。これは、その図書館に行って閲覧する方法です。この場合、官報はもちろん無料で閲覧することができます。ただし、一般的な図書館では官報は常時閲覧できる状態では公開されていません。そのため閲覧希望の官報を日付などで指定し、図書館側に資料として提供してもらうことになります。

2.インターネット版官報

以前は官報を閲覧する場合には、紙媒体のものを入手するなどしか方法がありませんでした。しかし現在では、官報はインターネット上においても公開されています。冒頭でご覧いただいたとおり、国立印刷局による「インターネット版官報」です。

閲覧方法

インターネット版官報については、すでにご覧いただいたと思います。

現在では、官報はこのように誰でも気軽に閲覧することが可能になっています。しかも、料金も無料です。ただし、無料で閲覧できる官報には制限があり、掲載開始後30日以内のものに限定されています。30日よりも古い官報も閲覧することはできますが、その場合には有料会員登録をして別途料金を支払う必要が出てきます。

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公告が行われるのはなぜ?官報公告がなされる2つの理由

うえで見たとおり、自己破産の手続きでは官報公告は2~3回行われることになります。では、どうして個人情報を公にしてまで官報公告はなされるのでしょうか?

これには主に、つぎのような2つの理由が考えられます。

①債権者全員に配当加入のチャンスを与えるため

破産手続きとは、本来的には破産者の財産を売却し、その金銭をすべての債権者に平等に分配(配当)するための制度です。そして、債権の中で分配を受けられなかった部分に対しては、その返済を法律上免除するという手続きです。

このため、破産者に対して債権を持っている者(債権者)は、基本的にその全員が破産手続きに参加する必要があります(これを「配当加入」といいます)。もし、ある債権者が破産手続きに参加していないため、裁判所にその存在がわからないまま手続きが進んでしまったとしたらどうなるでしょう?最悪のケースとして、その債権者は一切配当を受けられなくなってしまうかもしれません。このような事態を避けるために、官報公告はなされるのです。もし何らかの手違いにより破産手続きから漏れてしまっている債権者がいる場合には、その債権者に対して破産手続きに参加するチャンスを与えるための制度なのです。

②免責の効果を確定させるため

官報による公告は、基本的には一定の事項を国民に知らせるためにあります。しかし、官報公告の機能は、これだけにはとどまりません。官報公告することによって、一定の法律上の効果が発生することがあるのです。

官報による公告が開始された日が重要

自己破産の場合に特に重要なのは、「免責許可決定」が官報によって公告された日付です。借金の免除という効果を法律的に発生させる「免責」は、その旨の官報公告開始の日から2週間の経過をもって確定することになるからです。

逆に言えば、裁判所で免責許可決定が出ているにもかかわらず何らかの手違いで官報によって公告されなかったとしたら、いつまで経っても免責の効果が確定しないということになるのです。このような意味においても、官報公告は重要なのです。

自己破産したことをネット検索できるのか?

インターネットはとても便利なものです。もはやインターネットなしには日常生活を送ることは難しいかもしれません。

すでに日常生活に深く根付いた感のあるインターネットですが、その中でもとくに便利なのがグーグルなどの検索エンジンなどを使った「検索」機能です。調査したいキーワードを入力すれば、かなり高い確率で目的の情報がヒットします。

このため、自分の氏名などをキーワードとしてネット検索されたら、自己破産した事実がバレてしまうのではないかと心配される方もいるでしょう。

それでは、この検索機能を利用した場合、誰かが破産した事実を調査することは可能なのでしょうか?

キーワード検索はできない

自己破産した事実というものは、自分で公表でもしない限り、官報での公告以外で知ることはまずできません。それでは、ネット上で公開されているインターネット版官報はどうでしょうか?無料で閲覧できるのは30日という制限はありますが、ネット上で公開されている以上、ネット検索の対象となってしまうのではないでしょうか?

しかし、そんな心配をする必要はないのです。なぜかというと、インターネット版官報の内容はPDFでのファイルで公開されているからです。PDFファイルの内容は、グーグルなどの検索エンジンを利用してもヒットしにくいため、特定の名前を検索しても自己破産した事実がバレることはまずありません。

この記事を執筆するに際して、現在官報に掲載されている破産者について実際に何度か検索してみました。しかし、法人破産の関係者を除き、自己破産した個人名がヒットすることはありませんでした。

つまり、ネット検索によって自分が破産した事実が周囲にバレてしまうということも、まず心配する必要はないと考えてよいでしょう。

インターネット版官報では検索可能

すでに述べたように、現在ではインターネット上で官報が閲覧できるようになっています。掲載開始日から30日以内のものという制限はありますが、誰でも無料で閲覧できます。しかも有料会員となることで、昭和22年5月3日までさかのぼって閲覧することが可能となります。

さらに注目すべきは、官報記事内のキーワード検索が可能となる点です。

このサービスを利用した場合には、調査したいと思う人物名を検索することで、その人が自己破産したという事実の有無が判明することになるでしょう。これはもう、どうにもしようがありません。しかしこれも、必要以上に不安視することはなさそうです。

キーワード検索できるのは有料会員のみ!

上記のとおり、インターネット版官報ではキーワードで記事を検索することができる機能があります。しかし、このサービスは無料ではありません。これを利用するためには月額2,160円(官報の定期購読者の場合には月額518円)の利用料金を支払う必要があるのです。一般的に見た場合、これはそれほど高額な料金ではないかもしれません。しかし単に「興味本位」程度の理由で、この料金を支払ってまで他人が破産したかどうかなどを調べようとする人がいるでしょうか?

この理由により、この方法によって自己破産の事実が他人にバレるという心配は、ほぼないと考えてよいと思います。

官報公告のせいで自己破産したことがバレるのか?

すでに説明したように、自己破産した場合には数回、その旨が官報によって公告されます。この際には「債務者」または「破産者」という肩書とともに、自分の住所と名前が公表されることになります。

このことが大きなネックとなり、自己破産へ踏み切ることをためらう人は少なくありません。「自分が自己破産したことが周囲の人にバレるのでは……」という不安感からのことです。

果たして実際にそのような可能性はあるのでしょうか?

官報公告で自己破産したことがバレることはまずあり得ない!

官報という公的なメディアを通じて個人の住所や氏名が公にされる以上、自己破産したことが周囲にバレる可能性はゼロとは言えません。その可能性は確かに存在するのは間違いないでしょう。

しかし、この問題は過度に心配する必要などないものなのです。現実問題として、他人にバレることは相当可能性が低いのです。

官報公告から自己破産したことがバレない理由

官報による公告から自己破産した事実が周囲にバレる可能性は著しく低いと考えてよいでしょう。これは、つぎのような理由があるからです。

①一般的な人は官報の存在すら知らない

そもそも一般的な人は「官報」などというものがあることすら知らない。自己破産を真剣に検討している人からすれば、官報の存在を知らない人はあまりいないでしょう。自己破産を真剣に検討すれば、遅かれ早かれ官報による公告のことを知るはずです。しかし、自己破産とは無縁の一般的な人たちからすれば、官報などとは「聞いたことすらない」存在である可能性が高いと思います。「知らない」「聞いたこともない」人たちが、わざわざ官報を閲覧することはまずないでしょう。

②紙媒体の官報は閲覧が非常に困難

紙媒体による官報は、そもそも入手自体が非常に困難です。官報を購入することのできる「官報販売所」は全国でも50カ所ありません。このほかに官報は「取次所」でも購入できますが、その数も全国で10数か所しかありません。通信販売でも購入できますが、一般の人でありながら、それほどまでして購入しようとする人は事実上ほぼいないのではないでしょうか。もちろん官報は無料ではありません。入手するためには代金を支払う必要がありますし、通販の場合手数料等も負担しなければなりなせん。

ただし、紙媒体の官報は購入しなくても図書館などで閲覧することも可能です。しかしこの場合には、わざわざ図書館に足を運び、一定の日付などを指定して資料の提供を申請するなど面倒が増えることになります。この面倒を考えると、この方法も事実上、実行は非常に困難だと考えられます。

物好きな人がいて、仮にこれを実行したとしましょう。しかし、その結果得た資料の中にたまたま自分が破産した事実が掲載されているようなことがあるでしょうか?そのような可能性は極めて低いと思われます。

③発行のたびに毎回多数の破産者が掲載されている!

自己破産した際に官報で公告される人の範囲は、日本全国に及びます。つまり、北は北海道から南は沖縄まで。全国規模で見た場合、自己破産する人は相当多数に上ります。また、官報で破産したことが公告されるのは個人だけではありません。株式会社など法人の破産も含みます。官報は行政機関の休日以外は毎日発行されていますが、発行されるごとに毎回、数十ページにわたって自己破産関係が紙面を埋めています。

このように膨大な掲載事項や人名の中から、知り合いの名前を探し出すのは至難の業です。

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官報公告されたことから発生するデメリット

官報において「債務者」や「破産者」として住所・氏名が掲載されることは自己破産のデメリットといえます。可能性として、自分が自己破産した事実が会社や周囲にバレる恐れがあるからです。しかし、その可能性は非常に低いため、自己破産のデメリットと考えるほどのものではないかもしれません。

しかし、官報に住所・氏名が掲載されることから発生するデメリットは、それだけではありません。さらにつぎのような不利益も考えられるのです。

官報の掲載事項から破産者をチェックしている個人信用情報機関もある!

金融機関の利用状況などについて個人のデータを記録している機関として「個人信用情報機関」というものがあります。その主なものには「CIC」「JICC」「KSC」があります。この中でもKSC(全国銀行協会)は、官報に掲載されている破産者をチェックしています。そのため、その破産者の個人情報には官報の情報から「事故情報」が記録されることになります。これがいわゆる「ブラックリスト入り」です。KSCは主に銀行が融資などをする際に照会する個人信用情報機関です。

銀行などからの借り入れができなくなる可能性が高い

よくあるパターンなのですが、破産によって免除された債務の中に銀行からの借金があることがあります。この場合、裁判所によって免責が認められれば、当然ですが銀行からの借金は返済しなくてよいことになります。この場合、自己破産して以降一定の期間は、銀行などからお金を借りることはできなくなります。銀行に迷惑をかけたのですから、この扱いは当然と言えば当然です。

しかし、破産するに際して銀行に迷惑をかけなかった(破産で免除を受けた債務の中に銀行からの借金がなかった)場合でも、銀行などから融資を受けられなくなる可能性があります。KSCの保有する個人のデータに「事故情報」が記録されてしまっているからです。

「ヤミ金」など、違法業者から借り入れの勧誘が来ることがある

世の中には、いわゆる「ヤミ金」といわれる違法金融業者が存在します。このような業者はお金に困っている人にわずかな金銭を貸し付け、短期間の間に驚くほどの利息を請求してくる悪徳業者です。このような違法業者は通常、破産者に対してダイレクトメールを送ってよこします。まともな金融業者は、自己破産した人に対してお金を貸しません。ましてや、ダイレクトメールで融資の勧誘などするはずがありません。

このような勧誘には絶対に乗らないようにしてください。

自己破産後にアクセスしてくるのは違法業者!

自己破産した場合、基本的にしばらくの間はどこからもお金を借りることができなくなります。違法業者はこのことを知り尽くしています。そのため官報から入手した個人情報を悪用し、破産したことのある人に対してコンタクトしてくるのです。「お金を借りませんか?うちなら貸しますよ」と。

「ヤミ金」など違法悪徳業者は自分のことを「ヤミ金です」などと言いません。表面上は合法的な金融業者のように見せかけています。

自己破産後にダイレクトメールを送ってくるような業者は、まず間違いなく違法業者と考えてよいでしょう。

違法業者からは絶対に借金しないこと!

このような業者は、最初のうちは甘い言葉で勧誘をしてきます。しかし、そのような業者からお金を借りたら最後。借金地獄の泥沼から這い上がれなくなってしまうかもしれません。

厳しいようですが、重要なことなので敢えて言わせていただきます。厳しく言えば、破産者とは「借りた借金を返さずに済ませてしまった人」ということができます。悪徳業者はそれを充分承知の上で、お金を貸そうとしてくるのです。官報に「破産者」として掲載されている人間に融資の勧誘をしてくるのですから。

しかし、これはいったいなぜなのでしょうか?答えは簡単です。業者には貸したお金の回収に関して自信があるからです。金銭の回収に相当な自信があるから、破産者に対して融資の勧誘をするのです。これが何を意味するのか、よく考えてみてください。

必要以上に恐れる必要なし!

うえで説明したように、自己破産すると違法業者から融資の勧誘が来ることがあります。自己破産を検討している方の中には、このことを非常に心配する人がいます。しかし、これもそれほど恐れる必要はありません。

業者が官報から入手できる情報は、あくまでも「住所」「氏名」だけなのです。そのため業者からの勧誘は通常の場合、ダイレクトメールが来る程度のもの。「変なハガキ」が来たら、読まずに捨ててしまえばよいのです。ただそれだけのことです。かならず、このことを実行してください。

くれぐれも、決して甘い誘い文句になど乗らないように!

官報に掲載される公告内容

裁判所における自己破産の処理には、細かく分けると「同時廃止事件」と「管財事件」の2種類があります。また、「管財事件」はさらに、最後まで管財事件で終結するものと、途中で破産手続きが廃止される「異時廃止事件」とに分かれます。この場合、官報での公告内容もそれぞれ違ってきます。

それでは、具体的にどのように官報に掲載されるのか、順に見ていくことにしましょう。

同時廃止の場合に官報に掲載される事項

同時廃止事件として自己破産が処理される場合、官報ではつぎのように公告されることになります。

なお、同時廃止による破産処理は自己破産の大半を占めています。

1回目の公告での掲載事項

1回目の公告での掲載事項
  • 事件番号:「平成○○年(フ)第〇〇〇号」
  • 住所:「○○県○○市○○町〇〇番〇〇号△△アパート〇〇号室」
  • 氏名:債務者 ○○ ○○」
  • 決定年月日時:「平成○○年○○月○○日午前(午後)〇〇時」
  • 主文:「債務者について破産手続を開始する。本件破産手続きを廃止する。」
  • 理由の要旨:「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足する。」
  • 免責意見申述期間:「平成○○年○○月○○日まで」
  • 管轄裁判所名:「○○地方裁判所○○支部」

この公告では、氏名が「債務者 ○○ ○○」とされています。自己破産した場合における官報公告では最初のみ「肩書」は「債務者」。2回目以降は「破産者」とされることになっています。

2回目の公告での掲載事項

同時廃止による破産の手続きが無事終了すると、最後に免責許可決定が出ることになります。この場合、官報でつぎのように公告されることになります。

2回目の広告での掲載事項
  • 事件番号:「平成○○年(フ)第〇〇〇号」
  • 住所:「○○県○○市○○町〇〇番〇〇号△△アパート〇〇号室」
  • 氏名:「破産者 ○○ ○○」
  • 決定年月日:「平成○○年○○月○○日」
  • 主文:「破産者について免責を許可する。」
  • 管轄裁判所名:「○○地方裁判所○○支部」

この公告では、氏名は「破産者 ○○ ○○」と表記されることになっています。

そして、この官報公告がなされてから2週間が経過すると、法律上「免責」が確定します。これにより、今まで背負っていた借金がゼロになるという法律上の効果が確定するのです。

自己破産手続きが同時廃止事件として処理される場合、官報公告は以上のように合計2回行われることになります。

管財事件の場合に官報に掲載される事項

破産の手続きが同時廃止事件とならなかった場合、手続きは「管財事件」として扱われることになります。しかし、この「管財事件」はさらに2種類に分けられます。ひとつは、「破産手続」が最後まで行われ、破産財団の換価・債権者への配当が行われるケース。もうひとつは、途中で「破産手続」が廃止(中止)されてしまうケース(これを異時廃止といいます)です。

「破産手続」が最後まで行われる場合

破産者に一定以上の財産があるため、破産管財人によって破産財団(破産者の財産)の換価・配当が行われる場合には、官報においてつぎのような公告がなされることになります。

1回目の公告での掲載事項

管財事件の場合、1回目の公告は「破産手続開始決定」が公告されます。

1回目の公告での掲載事項
  • 事件番号:「平成○○年(フ)第〇〇〇号」
  • 住所:「○○県○○市○○町〇〇番〇〇号△△アパート〇〇号室」
  • 氏名:「債務者 ○○ ○○」
  • 決定年月日時:「平成○○年○○月○○日午前(午後)〇〇時」
  • 主文:「債務者について破産手続を開始する。」
  • 破産管財人:「弁護士 ○○ ○○」
  • 破産債権の届出期間:「平成○○年○○月○○日まで」
  • 財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告・免責審尋の期日:「平成○○年○○月○○日午前(午後)○○時」
  • 免責意見申述期間:「平成〇〇年○○月○○日まで」
  • 管轄裁判所名:「○○地方裁判所○○支部」

ここで注意していただきたいのは、5行目の「主文」です。同時廃止の場合にあったような「本件破産手続を終結する。」という記載などがありません。

2回目の公告での掲載事項

管財事件における2回目の公告では、基本的に「破産手続の終結」が公告されます。

2回目の公告での掲載事項
  • 事件番号:「平成○○年(フ)第〇〇〇号」
  • 住所:「○○県○○市○○町〇〇番〇〇号△△アパート〇〇号室」
  • 氏名:「破産者 ○○ ○○」
  • 決定年月日:「平成○○年○○月○○日」
  • 主文:「本件破産手続を終結する。」
  • 理由の主旨:「配当が終了し、破産管財人の任務終了による計算の報告を目的とした債権者集会は終結した。」
  • 管轄裁判所名:「○○地方裁判所○○支部」
3回目の公告での掲載事項

特に問題がない場合、破産の手続きの最終段階では裁判所によって「免責許可決定」がおります。この時には、つぎのような内容で官報公告がなされます。

3回目の公告での掲載事項
  • 事件番号:「平成○○年(フ)第〇〇〇号」
  • 住所:「○○県○○市○○町〇〇番〇〇号△△アパート〇〇号室」
  • 氏名:「破産者 ○○ ○○」
  • 決定年月日:「平成○○年○○月○○日」
  • 主文:「破産者について免責を許可する。」
  • 管轄裁判所名:「○○地方裁判所○○支部」

以上のように、管財事件によって破産が処理される場合、官報による公告は全部で3回となります。ただし、破産者が非事業者である個人の場合には「破産手続の終結」と「免責許可決定」の公告が一緒になされ、合計で2回の官報公告で済むことが多いようです。

「異時廃止」の場合

破産手続きの最初において、債務者にある程度以上の財産があると判断された場合、手続きは管財事件となります。しかし、その後の調査により裁判費用をまかなうだけの財産がないことが判明することがあります。この場合には、「破産手続」は途中で中止(廃止)されることになります。これが「異時廃止」と言われるものです。「同時廃止」の場合は、「破産手続開始決定」と「同時」に「破産手続廃止決定」がなされます。これに対して「異時廃止」の場合には、「破産手続廃止決定」が「破産手続開始決定」と同時になされず、あとからなされるため「異時廃止」と呼ばれるのです。

この場合、官報公告はつぎのようになります。

1回目の公告での掲載事項

異時廃止も最初の手続きは管財事件と同じです。そのため、1回目の官報公告の内容は管財事件の”「破産手続」が最後まで行われる場合の1回目”のものと同じになります。

2回目の公告での掲載事項

異時廃止の場合、「破産手続」は終結まで行かずに途中で廃止となります。そのため公告内容はつぎのようになります。

2回目の広告での掲載事項
  • 事件番号:「平成○○年(フ)第〇〇〇号」
  • 住所:「○○県○○市○○町〇〇番〇〇号△△アパート〇〇号室」
  • 氏名:「破産者 ○○ ○○」
  • 決定年月日:「平成○○年○○月○○日」
  • 主文:「本件破産手続きを廃止する。」
  • 理由の要旨:「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足する。」
  • 管轄裁判所名:「○○地方裁判所○○支部」
3回目の公告での掲載事項

「異時廃止」によって破産の手続きが処理される場合も、特に問題がない場合には最終段階において「免責許可決定」が出ます。この場合の官報公告の内容も管財事件の”「破産手続」が最後まで行われる場合の3回目”のものと同じになります

以上のように、異時廃止の場合も官報公告は全部で3回となります。ただし、破産者が非事業者である場合など債務内容によっては、「破産手続の廃止」と「免責許可決定」の公告が一緒になされることが多くあります。この場合、官報公告は全部で2回ということになります。

まとめ

今回は自己破産した場合の官報での公告に関して解説しました。

自己破産した場合には、政府が発行している「官報」によって住所・氏名などが公告されることになっています。自己破産が処理される方法によって回数に違いはありますが、2回から3回は官報によって自分の個人情報が公開されることになるのです。

世の中には、このことがネックとなり、自己破産することを躊躇する人がいます。確かに、この官報による公告によって自分が自己破産したという事実が周囲にバレる可能性はゼロではありません。以前と異なり、現在ではインターネット上で官報は簡単に閲覧することもできるようになっています。このため、官報はその分、身近なものとなっています。

しかし現実問題として考えた場合、個人でありながら官報の記載をいちいちチェックしているような人は、まず存在しないと考えてよいと思います。しかも、官報によって破産したと公告される人の数は予想以上に多いものです。このため、この多数の破産者の中からわざわざ会社の同僚や友人・知人などを探そうとしても、事実上かなり難しいのが実情なのです。

ただし、官報に掲載されることで、その他のデメリットが発生することがあります。一部の個人信用情報機関でブラックリストに載ることとなったり、ヤミ金など悪質業者から融資の勧誘が来る可能性があるという点です。

自己破産を検討するには、メリットだけでなくデメリットについても充分知識を持っておかなければなりません。

自己破産した場合の各種デメリットを熟知し、これらの点に関し事前に対策を考えておくことをお勧めします。

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